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絵でストーリーを『伝える』とは

こんにちは。フジワラヨシト(@fuji25_2501)です。

『SNSにイラストをアップしてるけど全然見てもらえない』『画力はあるはずなのに他の人の方が伸びてる。。。」
そんな悩みを持つ人は多いと思います。

もしかしたら、そもそも何が『伝えたいか』というところが抜けているかもしれません。

私は翻訳版、原書版含めて海外の絵の技法書をよく読むのですが、共通して書かれているのは『何が伝えたいのか』伝えるためには『ストーリーが大切』ということが書かれています。。
当たり前に書かれすぎて、なぜ大切かが省略されてることが多いので、自分なりになぜスそれらが大切かを書いてみました。

何かのヒントになれば嬉しいです!


■ そもそも『何が伝えたい』のか?

そもそも、絵はコミュニケーションのための道具です。

文字を書いたり、喋ったりするのと同様に、絵も自分ひとりが見るだけでは完成とは言えず、自分が伝えたいことを、他の人に伝えることで初めて完成します。

つまり、まず初めに『伝えたいこと』があり、それを表現するために、イラストという手段を使っているということを意識するべきです。

かつての自分もそうだったのですが、絵を描き続けていると、最初のうちは「この動物の可愛さが描きたい!」とか「こんな風にエモい絵を描けるようになりたい!」と思って描いていたのが、絵が上手くなることばかりに意識が向きすぎて、自分が『伝えたいこと』が何だったのか見失ってしまってる人も少なくない気がします。

もちろん、「伝えたいことなんてないけど好きに描いてるだけだし」とか「思いつきで適当に描いた」というのも、全く否定はしません。手動かしてるだけでも楽しいですし。

ただ、自分が描いたイラストを人に見てもらい何かを感じ取ってもらうという意味では、この『伝えたいこと』が明確になっていないと、見た人もぼんやりとしか見たものを受け取ってもらえません。

『伝えたいこと』って言っても、別に「社会問題がー!」とか「環境問題がー!」とか「SDGsがー!」とか変に深く考える必要は全然なくて、「夕焼けが綺麗だった」とか「ランチが美味しい」とか「推しが尊い」とか、友達や家族と雑談するような感覚で『伝えたいこと』を決めていいと思います。

そんな風にどんな小さなことであっても、絵のテーマとして何を『伝えたいのか』を明らかにすることが、絵をコミュニケーションツールとして使う以上いちばん大事なことです。



■ じゃあ『どうしたら伝わるのか?』

『伝えたいこと』が決まったら、じゃあそれをどうやったら見た人に伝えることができるのか?

その一つの手段に、『ストーリー』を感じることができる絵を描くということがあります。

そのことを『ビジュアルストーリーテリング』と言います。

ストーリーを描くということは、自分のイラストを見てくれた人に自分の『伝えたいこと』を理解してもらうためにとても有効な手段です。ストーリーを描くことでは身近な経験だったり、想像力を使って、感情などの抽象的な情報や思考を具体的に伝えることができるので、見た人がどんな絵なのかわかりやすくなります。

で、そのストーリーを描くために必要なのは、キャラクターや情景やモノの、感情や行動や時間の経過を自分のイラストを見た人に想像させることです。

例えば、一人のキャラクターがいたとして、そのキャラクターが何を感じ考え、何をしているのか、何をしようとしているのかがわかるように描くことが大切になってきます。

それを補うために必要なのが、

  • 構図(どこに何を配置するか)
  • ショット(どんなレンズどんな画角で配置するか)
  • ライン(全体的な視線の流れの印象)
  • シェイプ(全体的な形の印象)
  • ライティング
  • ジェスチャー(キャラクターの動き)
  • プロップ(小物や舞台装置)

などの要素なわけですね。他にも色々ありますが。

これらの要素を適切に使い分けることで、『伝えたいこと』をストーリーを描くことができるようになります。



■ ストーリーを描くことで起こる『イイコト』

描いたイラストは見てもらえない。見た人を惹きつけるためのフックになる。

皆さんが、SNSで他の人のタイムラインでイラストを見るとき、どれくらいの時間イラストを見ますか?

たぶん、たぶんですけど3秒も見ないんじゃないかと思います。

それぞれが一生懸命描かれたものではあると思うんですが、イラストを見る時間って本当に短いです。

「そんなことないよ!もっと長い時間見るよ!」って言う方もいると思いますが、たぶんそれはあなたがイラストを見るのがかなり好きな人だからです。

ですが、タイムラインでイラストを見る人の多くは『普通にイラストを見るのが好きな人』じゃないかと思います。

そんな人に、描いた絵を見てもらうためには、何か見た人にとって引っ掛かりとなるようなフックが必要になるのですが、『ストーリー』を描くことが、そのフックになります。

見た人の感情を動かすことができる。

ストーリーは感情を動かします。

なぜなら人間は自分の経験を記憶の中で情報を処理して、それに基づいて感情や行動をコントロールするというメカニズムがあるからです。

ストーリーはキャラクターの状況や、登場するキャラクター同士の関係性などを通じて、見た人が自分自身の経験や記憶と照らし合わせて、共感し、関心を持ちます。

このような共感と関心により、感情が引き起こされます。

見た人の感情を強く動かすことで、見た人の行動(例えば購買だったり、いいねを押すだったり)を引き起こすことができると考えています。

見た人の記憶に留めることができる。

見た人の感情を動かすことができると、自分のイラストが見た人の記憶に留まることができます。

小学校の時に勉強したことを思い出してみてください。

理科や算数などの授業で習ったことは、具体的にどんな内容で習ったかを思い出せませんが、国語で習った物語などは今でも覚えていることがあるのではないでしょうか?

それは、そこにストーリーがあるからです。

伝えたい内容を、そのまま伝えるだけで見た人の記憶に留めるのは難しいですが、ストーリーがあることで見た人の記憶に深く留めることができます。



バズりやすい

下卑た話かもしれないですが、ストーリーを描くことで自分が得た一番良いことかなと思っています笑

もともと、あまりキャラクターの感情や行動が伝わりにくいイラストを描いていたのですが、ある時意識をガラリと転換して、ストーリーをイラストで描くようになってから、多くの人にイラストを見てもらえるようになったという経験があります。

「いや、たまたまなんじゃないの?」と思われるかもしれないですが、ストーリーを描くようになってから、もともと200人程度だったTwitterのフォロワー数が一気に2000まで伸びたという経験があります。

その時に参考にしたのが、ノーマンロックウェルの画集。

初めてノーマンロックウェルのイラストを見た時は伝統的な写実絵画の一つ程度にしか思っていなかったのですが、よく見てみると、当時のアメリカの人々の生活をリアルにかつ面白みを持ったストーリーで描かれていることがわかります。これを現代の日本に置き換えたらどうなるか、ということが私が絵でストーリーを描くということを意識した出発点でした。

初めてストーリーを意識して描いたイラスト『また明日から頑張ればいいよ』

ということで、今回は絵でストーリーを伝えるということ、どうしたら伝わるのか?ストーリーを描くことでどういった良いことがあるのかを書いてみました。

何かのヒントになりましたら幸いです!

それではー!

  • この記事を書いた人

フジワラヨシト

神戸在住のイラストレーター。2019年、会社員時代にiPadを手にしたことをきっかけにSNSにイラストを投稿しはじめ、2020年にイラストレーターとして独立開業。多数の企業案件を手掛ける。

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